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アダムとイブ

時々、いや毎日
僕らは暗闇の中で会話をする
あなたが流した涙を
僕の見えない指で掬って抱きしめられるなら
今頃こんな気持ちになってなんかいない。

あの日のあなたとの会話を
忘れたフリして「なんだっけ」と零すけど
本当は世界のどこにあっても分かる宝物のように
はっきりと覚えているのだ

僕は、あなたに嘘ばかり吐く。

独りの時は寂しさも悲しみも
食べてしまった毒林檎のように残った痛みも
なんでもかんでもつぶやけるのに
一人の時は、周りばかり、あなたばかり意識して
心配かけないように「うまくやってます」なんて
笑顔まじりで言うのはなんでだろう。

目を覚ませば、明日になれば、
変わらず涙は溢れてくるけれど。

こんなこと思ってしまう僕が
ただ憎くて。憎くて。
あなたに申し訳ないんだ。

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