0

ダイエット 後編

「休むの?」
「…………」
「行くんだったら送るけど」
「いい」
 わたしは腰をさすりながらこたえた。
「じゃあお母さん仕事行くから。ご飯、適当に冷蔵庫のもの食べて」
 昼近く、ふらふらしながら起きて、冷蔵庫を開けた。何もなかった。
 お腹減ったなあ。
「一食抜いたところで死にはせぬ」
 稲荷大明神が言った。
「そーだね」
「だがつらいだろう」
「それほどでも、ちょうど痩せたいと思ってたし」
「君の体質じゃ痩せてもすぐリバウンド」
「何が言いたいんですか?」
「ところでさ、狸顔って言われたことない?」
「あー、あるかも」
「その一言が君の無意識に影響を与えてるのさ。その無意識をシフトすれば、がり痩せ間違いなし」
「どうしたらいいのでしょう」
「そんな君にはこれ。狐の面による呪いダイエット。狐の面から連想されるオカルティックなイメージで神経がまいって食が細り、見る見る健康的に痩せるよ」
 オチをつけようと思ったがこの話、けっこう面白いから続く。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。