もう手の届く距離にあるのに、手を伸ばせなかった。重い鉄の輪がはめられているように、指一本動かせない。腕を引きちぎって、口にくわえてでも手に入れたいと思った、あの栄光。一番になるには、ライバルたちを蹴落とし、それを踏んででも優雅に歩かなければいけない。
トップに立つことは、決して容易ではない。立ち続けるのは、もっと難しい。そう思っていたけれど。「トップ」というステージに立って分かった。猛獣使いを目指す少女は星の数ほどいる。その中で「猛獣使いのアンデルセン」を襲名できるのは、たった一人。その「たった一人」になればいいのだ。1度そのステージに立てば、スポットライトの方が私を追ってくれる。私はただ、獣たちと戯れて、悲鳴のような歓声を浴びればいい。
スポットライトの下でなら、私の最も美しい姿で死ねる。それが、今の目標だと思った。
口笛と拍手が近づいてくる。
初期のころから読んでいますが、この文章、いちばん好きです。
ところで13歳のセンスとは思えないのですが、本当に13歳ですか?
本当に女子ですか?
もしかしたら帰国子女?
だからこんなエキセントリックな文章が書けるのかな。
総合して考えた人物像
40代の、外国文学好きなセレブの専業主婦!
スミマセン、もちろん冗談です。
カッコいい‼️