九年前のあの日あの時、僕は小学一年生でちょうど下校中でした。
みんなといつも通り話しながら、ふざけながら帰っていました。
家に帰ったら、一歳になったばかりの妹と母がいつも通り家にいました。
ただいまと言って家の中に入ってみたら、母がテレビを見ながらとても焦っていました。
テレビを見ると、濁流が物凄い勢いで町に流れ込んでいて、橋や車、木や家などが全て流されていきました。
橋の上にいる人がそのまま流されていく様子も見えました。
その時は、あまり何も感じませんでした。
何かの映画のCMかとも思っていました。
隣で母はその様子を見て、焦り騒いでいました。
あの時の母の焦りはとても鮮明に覚えています。
僕はその日のことは、それだけしか覚えていません。
その後家族が何を話していたのか、自分が何を感じていたのか。
その次の日からのことも、学校の先生が地震について何を話したのか、全く覚えていません。
その後年月を重ねるほど、その悲惨さ人々の辛さ苦しさなどを知っていって、自分が今困っている人たちに何が出来るか毎年この日に考えます。
今年度から進学高校の高校生になり、勉強と部活に勤しむ日々を送っています。
僕の担任の先生は、僕らが勉強する理由は「困っている人、悲しんでいる人、苦しんでいる人たちのために、自分が大人になった時に、今学んだことを使ってその人たちを助けるために勉強している。」と言います。
これを初めて聞いた時、僕は強く勉強を頑張ろうと思いました。
2020年3.11、僕はこれからも勉強と部活を頑張って、そこで得られた力を大人になったら(どんな形になるかは分からないけど)、東北の人々のいつも通りが再び始まるような手助けをして、何か力になりたいです。