1

即興詩。

ひとり、早上がりの現場を惜しみながら帰る。
雨降りのホームからは、見慣れない街のパノラマ。
さっきから繰り返しの、鳥のさえずりと
何処かで聞いたメロディと、ベルとブザーとアナウンスと、
バラスト軌道に弾ける雨音がステレオで

こんな日に限って忘れた読みかけの文庫本が恋しくて、
いっそこのまま、日も暮れてしまえ。

待ちぼうけ、電車は未だ見えない。

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。