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緋い魔女 Part 6-Ⅱ

「…見つからないわね」
森の中を探索し始めて幾ばくか、グレートヒェンはぽつりと呟いた。
近隣の村で精霊の目撃情報があったため、人気のない森の中に潜んでいると踏んで、彼女らは探し回っているのだが、痕跡すらまるで見つからない。
「…そっちは?」
グレートヒェンは振り向きざまに尋ねる。
「…なんにも」
使い魔”ナハツェ―ラー”ことナツィは真顔で答えた。
それを聞き、グレートヒェンはそう、と溜息をつく。
「…案外見つからないものね」
「は? 簡単に見つかるでも?」
ナツィに嘲るように言われたが、グレートヒェンは気にすることなく続ける。
「…別に、そんな風には思ってないわ。そんなだったら、私の元に依頼なんて来るハズがないし…そう言ってるお前はどうなのかしら。まさかずっと屋敷に閉じ込められていたから、感覚が鈍ってるってことはないでしょうね?」

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