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緋い魔女 Part 8-Ⅰ

「…何」
「何じゃないわよ」
グレートヒェンは思わず突っ込んだ。
「…正式な主従じゃないから、必ず命令を聞くワケじゃないって先に言ったんだけど」
ナツィは面倒くさそうに言う。
「…あっそ」
グレートヒェンは素っ気なく答えた。
「…まぁ、最初に言ったものね。…分かってたわ、分かってたわよ」
そう言ってグレートヒェンは目の前の精霊に向き直る。
「…何なら、好きになさい!!」
グレートヒェンはそう吐き捨てると、懐から赤い石ころを幾つか取り出した。
精霊が反応するその前に、彼女はそれを地面に向かって投げつける。
グレートヒェンの手を離れた石ころは、地面に着地すると同時に白っぽい煙を上げて辺りをみるみる内に覆い隠した。

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