苔むし色の夜
銀色の湖が月のやつなんかに見つめられて
てらてらひかってら
からからの木々も今は若々しくささやきあう
昨日のくにから明日のくにへ向かう
湖を回る道の対岸から君はやって来た
まゆげがとてもきれいでね
逆回りで進む僕らの距離は変わらない
空巡り星の半分がそっくり変わってしまっても
昼、小鳥たちと覚えた赤や紫や黄色のアネモネのしらべは出てこない
忘れてとぼけて本当の名を明かしたら
振りかえってくれるかな
そしたらcodaのない歌をうたえる南の旅人になれるのに
そう今からだって
こぐまのしっぽが沈みそうでも
しづかな後ろ姿が昨日のくにへ消える前に