僕は霧
水と酸素の間で彷徨う幽霊さ
火を燃やす酸素と
火を消そうとする水ばかり
拮抗する圧力 押し潰される
そんな中僕は火を消せるほど
水分を多く含んでいない
ただの無力な霧
早く空気になりたいな
板挟みの僕の行方はどこですか
酸素が無くなれば音楽を聴けなくなるのに
それも知らずに火を燃やす
それが滑稽だなんて笑えたら
今頃僕もお彼岸の終わりに
あの世に帰れるかな 成仏できるかな
でも水をかけたところで
毒は完全に消えない
早く水で流れて消えてしまえ
そしてまた酸素よ、生じろ
生じた酸素に託した
毒が消えてなくなる日
あの音楽が酸素を通して伝わる
その瞬間まで 私は成仏できない