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チョコレート工場

さあ、これからどうしようか
そっと、錆びた煙突をなでる
チョコレート工場の屋根の上
孤独の翼に身をつつみ
カカオの香りを楽しみながら
月夜に白い息を吐く
ずっと昔に約束した
たった一つの指切りは
今も心に傷をつくる

さあ、次はどこへ向かおうか
錆びた煙突にキスをして
また会おうねってまた指切り
小指は出してくれなかったけど
そっとリボンをかけてやった
約束はきっと守れない
でも まあいいやと微笑んだ



そのリボンはまだ切れもせず
風になびいて空を舞う
そんなことは夢にも思わず
彼は旅を続けている

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