正直、心底ビックリした。そんな電話が来るなんて、想像もしなかった。
だって私がこっちに来てから、ラインのひとつも寄越さないし。私のことなんて忘れたと思ってた。遠くに行ったクラスメイトの一人、くらいに。
しかもその内容がまさかのSCHOOL OF LOCK! 純平もまだ聴いていたなんて。驚きと嬉しさと、その他もろもろの感情が一緒くたになってごちゃごちゃして、高鳴る感情をごまかすようにいつになくハイテンションで話した。不自然に思われてないかな。
「ははっ、何それ!どういうこと、何、純平福岡に来る用事でもあるの?」
そういう意味で『一緒に見よう』と言ったのではないことなんてもちろんわかってた。軽く挟んだ冗談のつもりだったのに、純平はさっきの焦った声が嘘のように黙り込んでしまった。無言の時間が、ぽっかりと空く。
「え、純平?どうしたの?電波悪い?」
「............今、できた」
「......は?」
何言ってんの?純平。そう言うと純平は、ケータイの向こうで大きく深呼吸をすると、言った。
「俺、福岡に行くよ」
→→→to be continue...