ピンク色の土手の上を
一人歩いている この季節
涙の小川は大河となり
頬を流れている 心の岸辺
こんなにも哀しいのは
優しすぎるから あなたが
新しい未来へと進むの
二度と戻らない この季節
“世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし”と
私はつぶやく サヨナラの代りに
なぜ人は春が来るたび
心待ちにするの その花を
なぜ人は春が来るたび
心をいためるの その花に
ラジオから流れてくる
いつかつないだ あの電話
あなたがくれた全ては
咲き続けている 胸の中で
“世の中にたえて桜のなかりせば
春の心はのどけからまし”と
私はつぶやく サヨナラの代りに