ライオネルはため息をついた。
「もういい、リアム」
リアムはさも残念そうに落胆の声を挙げる。
「えー、なんで?この女、おうさまのこと殺そうとしてたんだよ?相応の報いは必要じゃない?」
「そういった考え方は前王の時代だけで十分だ」
ライオネルは吐き捨てるように言った。
「誰に命じられた」
聞かれた真っ青な顔のメイドは、今にも倒れそうであったが、口を引き結んでいた。
ライオネルのただでさえ鋭い眼光が、よもや凶器と呼べるほど鋭利なものになる。
リアムはといえば、既に飽きたかのようにソファに座り、窓から差し込む光にナイフをかざし、手入れをしていた。
ライオネルは瞳を揺らす。
「では、問いを変えよう。捕らわれているのは誰だ?」
「……私の、ただ一人の肉親、父でございます……」
空間が決壊した。リアムはぎょっとしたようにライオネルを見る。
「おうさま、泣かせたの?今度はどんな__」
「馬鹿者。
__誰に命じられたかを言え。即急に救い出す。今ならまだ間に合うだろう」
ライオネルに促されメイドの口から紡がれた言葉に、ライオネルはため息をついた。
「反吐が出る」