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『愛憎劇の幕、その名はカーテン。』#8

「お父さん……!」
「シェリル!!」
 メイド親子は、無事再開を果たした。
 事の一部始終を聞いた老人は、何度も何度も頭を下げたが、ライオネルが止める。
「今回はルードヴィク侯爵の独断だと思うが、厳重注意としてお前たちには監視をつける。いいな」
 ひたすら縦に首を振る二人に、リアムが笑う。
「おうさま顔怖いから、きっと優しい処置だって伝わってないよ」
「なんだと?」
 くすくすとおかしげに笑うリアムは、親子二人に顔を向けた。
「おうさまが生きてるとなると、今度狙われるのはキミだよ、メイドさん」
 シェリルという名のメイドは、目に怯えた色を宿す。
「おうさまがつけるのは監視じゃない、護衛だよ。おうさまには感謝すべきだ。俺だったらそこのおじょうさんも殺してる」
 二人は何度も頭を下げ、そして部屋を出た。
 ライオネルはため息をつき、困ったように眉を下げた。
「何もそんな泥を被るようなことを言わなくたっていいだろう」
「何のこと?それに、俺はほんとに殺したっていいと思ったからね、あの女。おうさまは優しすぎるんだよ」
 ライオネルは肩をすくめて自分の席に座った。

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