ライオネルは肩をすくめて自分の席に座った。リアムもそれに合わせるように、ライオネルのデスクに腰掛ける。
「ルードヴィク伯爵はどうした」
座るなと睨まれたリアムは、知らないふりをして応える。
「テオの森に置いてきた」
ライオネルはぎゅっと顔を顰める。
「おい、あそこは狼が……」
「おうさまは知らなくていいんだよ」
ひょいとデスクから降りたリアムは、不意に窓を閉めた。カーテンが揺れる。
「おうさま、今日はもう休もうよ。
……大丈夫、おうさまのことは、俺が殺してあげるから」
ライオネルは睨んだ。
「もしもお前が俺を殺せなかったら__その時は、私がお前を殺して、私も死のう」
リアムは、カーテンを完全に閉めた。
侯爵と伯爵を間違えました。ひどい。