0

突然変異

すべてが空虚で無機質な
人っ子ひとりいない灰色の町をゆく

すこしうすら寒く気味がわるい
まわりをきょろきょろ見まわしながら早足でゆく

するといつのまにか君があらわれて
僕を指さしてきゃらきゃら笑いながら
くるくるまわってとなりを歩く

とつぜん君のすがたが透けたような気がして
そのしろいうでをつかもうとする僕を
あざけるように君はまた笑って
するんと僕の手のなかをすりぬける

そうして微笑みながら僕のまえに立って
つまさきだちで僕にキスする

あとに残るは牛乳飴のもったりした味だけ

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。