誰にも好かれる奴
居るわけない漫画のキャラクター的属性を持つリアルワールド人は実在するか
答えは yesである
僕はたった1人知っている
何をするにも皆んなそいつを推薦する
絶対的信頼
時間さえあれば大勢に囲まれる
絶対的人気
何者をも寄せ付けない
絶対的頭脳
これで性格でも悪けりゃ多少の救いはあるが残念だが性格も超がつくほどの優しい奴
いけ好かないと思うだろうが俺はそいつが嫌いではない
不思議なのだありとあらゆる面で完璧という嫌われそうな要素の中でも最も強そうな要素の持ち主なのに
嫌いになれない
僕は何年もそいつと友達いや親友レベルかもと言えるほどの関係で居続けたなんとも心地いい
そういう毎日だった
だけど今になれば思う なぜ人であったはずのアイツに僕らの知らない顔が無いなどと思っていたのか
表の顔が整っていればいるほど裏は歪んでるものだ
摂理だ 人間の構造だ
そう我々は作り物なのだ 完璧な創作物はいつの時代も生まれないもの
気づくのが早ければ僕はアイツとちゃんとした親友だったかもしれない
歪んだ友情の果てに待つのは破滅だ
それもまた摂理だ 世界の構造だ
そしてその摂理通り 構造通り
僕達は破滅した アイツがこの世から消えるという形で
そして僕は今歪んでいる 酷く歪に
入口はあっても出口はない
僕は今一生の牢獄に後悔と同居してる
僕達2人は望んだ方向へ走ろうとして望まぬ方向を歩んでしまった
きっとそれぞれが目指した道は同じようで違う道だった
だけどたどり着いてしまった道は全く同じ結末を迎える道だったのだ
僕達はお互いにとっての優しい毒だったのだろう