1歩、1歩、1歩
近づかない場所へと歩みを進めている
気になっている
近づいている 近づいている
そう思うと頑張れた無様に
腕は腐りただ風と歩みの衝撃に揺られている
もういつから痛くなくなったかも忘れた
知らない頭の数々が僕を罵り蔑如する
散っていった先人の骸を掻き分け歩む
希望という名の曖昧な救いに手を伸ばしながら
「お母さん、お母さん、お母さん」
どこからともなく聞こえる悲鳴のように
またある所では力なく果てる瞬間のように
またある所では恐怖の対象を前にした瞬間の震えるように
名も無い声たちが僕を誘っている
次第に歪み消えてゆく
止んだのか届かなくなったのか
それも分からない
もはや歩み続ける理由すら分からない
僕は(私は)何者だったのだろうか
この感情はなんだろうか
いつの感動か いつの悲しみか いつの喜びか
いつの驚愕か いつの羞恥か いつの怒りか
激情の如く身体を駆け巡り切り裂いてゆく
「あぁ お母さん...」
生まれたことが間違いだったか
巡る感情の中傍に転がる幾千万の骸達が辿り着いたであろう答えに到着した
そして
それに等しく並び去った