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それに届いた

音が聞こえる
雨が地面を叩くような
悲鳴を合わせ音量を絞ったような
不気味な感覚が走る
手のような物が全身を探るようにゆっくりと静かに纏わり付く
血の気が引くのが分かった
何かを探している手付きだ
間違いない 捜し物をしているようだ
何となく分かった気がした
それは刹那だったはずだ
なのに今まで感じた時間の中で1番長く濃い気がした
ゆっくりゆっくり じわりじわり
その手はお目当ての物へと近づく
感覚的には長い
けれど思考を始めた瞬間その時間は刹那になる
決定された未来に時計の針は進んでいく
そして...
・・・・・・・・・
手は辿り着いた
しっかりと両手が握り締めていた
まるで無くしたと思っていた大事な大事な
おもちゃを発見した瞬間の子供のようなに
姿すら知らないあなたは握り締めていた
「あぁ.....」
残された言葉はなかったらしい
電池は既に切れていた

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