彼は保育園に通い続けました
晴れの日も雨の日も雪の日も
彼にとっての保育園とは職場の様な所でした
機械的に1日を過ごす日々を送っていました
先生方は手のかからない子どもだと褒め
子ども達は変な子だとからかいました
彼は一言も気にせずに
ただ1日が過ぎるのを
おもちゃも絵本もない教室のすみっこで
たった一人 待っていました
ご飯の時間は黙々と食べて
工作の時間は小さな手を器用に動かして
体育の運動は一人で技を極めて
誰とも話さずに過ごす毎日
彼はさみしかったのでしょうか
彼は孤独だったのでしょうか
いいえ
きっと彼には、孤独や一人といった状況が
よく理解出来ていないのだと思います
小さな頃から一人で過ごして来た彼は
一人が当たり前
孤独なんて感じない
だから、今日も一人で過ごしています
小さな一人のお話。