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誰何

きみは綺麗だよ とぼくが言って、それできみがしあわせになることがすこしだけ悲しい。ダブルのアイスクリームの組み合わせに失敗して舌をだして笑った日、きみはぼくがどう見えているかなんてちっとも気にしていなかったのかもしれない。歯みがき粉味の水色がすきだったきみの横顔、きらめきとともに沈んでいく、思い出の底に眠る砂粒。ぼくはずっとワッフルコーンだけ欲しがって、きみと隣り合わせのパズルのピースになった気分で夏にいた。

晴れた日の空はきみの青い舌の色、キュイと鳴く自転車の錆は苦いチョコレート、ぜんぶ溶けだして、地球儀をぐるり一周させるスピードで消えたらいいのに。きみがどんな色で光っているか、きみも知らなければよかったのに。

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