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口裂け女2

逃げ出してから数十秒後、後ろをちらりと振り返ると、『奴』は既にほんの十数mの距離まで迫っていた。その顔からは、既にマスクが剥がれ、耳まで裂けた口が露わになっている。
(む、やはりあの程度ではほんの時間稼ぎにもならなかったか。流石に100mを6秒で駆ける脚力の持ち主なだけはある)
『奴』がぎりぎりまで追いすがって来たのに合わせて、予め脱いで小脇に抱えておいた上着のパーカーを『奴』の顔面目がけて投げつけた。運良く上手いこと顔に絡まったらしく、足を止めて顔にかかったものを剥がそうともがいている。それをちらりと見る程度にして、逃走を再開した。
しかしそれでも、『奴』もまた直ぐに追跡を再開してくる。
運動が得意だったり、スタミナが人並外れていたりするわけではない自分にとっては、時速60kmで走る化け物から逃げ続けるなど、とてもじゃないができることではない。
これは何か策を考えなくてはいけない。

  • 怪異を無理矢理どうこうしてみるシリーズ
  • やべえ、口裂け女相手の勝ち筋が見つからねえ
  • 弱点抜けない口裂け女とか悪夢でしか無い
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