雨はペトリコールなんて言ったってひどい匂いがしてネズミの死骸は貧相に濡れていて
街をスクロールする人差し指のささくれが剥けて死んじゃいそうだよ絆創膏も持っていないの私
公衆電話に10円入れてまるでマッチ売りの少女?
そんな目でこっちを見ないでください
積もった埃みたいな色ね
108円じゃあの子は買えやしないでしょう
ベランダの煙草の匂いが漂って
ああこんなにも悲しいな
まつげに雨粒が落ちた
そんな死にそうな顔してどこまでいくのかな
知らない田舎の駅までずっとずっと遠くまで?
愛さえも有料になって無機質になっていく
なにもかもバグっちゃってんのよこの世界は
ママの顔も思い出せないな
神経痛に体を撃ち抜かれて死んじゃいそうだよ
蹲った上から上から踏まれて化石になってゆく
君なんか大っ嫌いだって言った傍からまるで馬鹿
ねぇ貴方の血はきっときれいな青色でしょう
全部全部どうでもいいのになぜだか今すぐにでも粉々に崩れてしまいそう
顔も知らないあの人とすれ違った
校閲に引っかかって捨てられてしまった言葉たち
お墓参りさえも行かないでゆっくり朽ちていく