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あの日から始まった小説みたいな物語

中学生の時の話です。
小学校時代の私は、礼儀やマナーなどが全く守れない俗に言う問題児でした。今思うと周りの人に多大なる迷惑をかけていたなと思います。
小5で担任だった田中先生はそんな僕をあまり怒ることがなく、いつも軽く注意するだけでした。そのような対応に私はさらに甘え、より好き放題に生活を送っていました。ある日、私が調子に乗って、ある生徒を泣かした時、先生に呼び出されました。けれど私は「また先生にはそんなに怒られないだろう」と舐めきった態度で先生のもとに向かいました。しかし、そんな考えとは全く違う田中先生がそこにはいました。
「私は、あなたが元気に楽しく学校生活を送るぶんには、何も怒らない。だけど、人を泣かせたり傷つけたりすることだけは絶対に許しません。あなたのその明るさは人を元気にさせることに使うべきです。」
その言葉を聞き、今までしていた数々の悪さの全てを思い返してみると、先生はいつも「今日も元気やなぁ、先生も見てて元気なるわぁ」と言っていたことに気がつきました。
私は人を傷つけるのではなく、元気にさせるような人間になると決めました。
月日は流れ中学生2年生の冬、私は生徒会長に立候補するか迷っていました。成績などが良い訳ではなく、決して優等生と呼ばれるような人間ではなかったのですが、学校中の生徒と関われるのは、生徒会長だと思い、やりたい気持ちがありました。しかし私以外の立候補者が7人ほどいて、「どうせ俺がなることはないし諦めようかな」という気持ちに変わっていき、立候補締切前日にはほぼ諦める決断をしました。ですがその夜、私は夢を見たのです。
「久しぶりあなた生徒会長諦めるのね、私はあなたなら出来ると思うけど、1度しかない人生そこで諦めていいの?」
声の主は田中先生でした。私は、ここで諦めるくらいなら、挑戦してからダメでもいいじゃないかな、という気持ちに変わりました。今思うと、あの挑戦が無ければ、物事を直ぐに諦めるような人間になっていたと思います。
田中先生にお礼をしたいと思い連絡をした所、先生は私が立候補をした前日に亡くなっていたことを知りました。あれが私に向けた最後の言葉でした。
私は今、先生が言ってくれたように、周りを元気にさせ希望を与えられる人間になるため、保育士の勉強をしています。
田中先生本当にありがとうございました。

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