夏は空から襲ってくる
太陽光線は僕の背中を焼き切り
夕立が屋根を強かに打ちつけ
曇り空の夜にうなされる
夏は地面から襲ってくる
蒸されるような熱気に包まれて
逃げ水に置いていかれながら
またいつものようにいつもの道を歩く
だから今日は
今日くらいはこの部屋で
夏がいない場所で
君とゆっくり話をして
いつの間にかうたた寝して
なんて空想
夏は僕を喰らい尽くす
ひと夏の魔法だなんて言葉に魅了され
馬鹿みたいな夢を見て
何も変わらないまま
ただただ暑いだけの日々が
今年もまた過ぎていく
それでも輝いて見えるから
夏はやっぱり恨めしい