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無幻の月-契約- 後編

「うーん、それだけなら望みとしては薄いなぁ...具体的には何と」
こいつ、察しが悪いな
「あの亡霊とだ」
「は?えっ今なんと」
「あの亡霊を狩りたい」
「ちょいちょい、願いはこの一回だけだよ?それでもいいの?」
「くどい!確かに願いは言ったぞ、早くそのマジックアイテムとかいうのをよこせ!」
「なっ...!まぁキミがそれでいいのならいいのだけど」
賢者が何かを唱えると指輪が右の中指に現れた
「これがそのアイテムか」
「強く念じて変身するといい。ヤツらもそれで覚醒を悟り、敵対する」
言われた通りに「変身」と念じてみる。
そしてそこに立っていたのは
「おい賢者、これは魔法少女って風貌じゃないよな。どちらかといえば死神の方がしっくり来るぞ」
黒いローブを纏い、大鎌を携えた桜がそこにいた
「望みがあれだからねぇ...まぁそうなるよね...さっ、来るよ!」
覚醒を察したファントムが凄まじい形相で突進してくる。
が、それをひらりとかわした上で腹に刃を突き立てる。
「...」
そのまま反対側に力一杯叩きつけた。ファントムは痛がる動作こそしたが直後に沈黙した。
なるほど、これはいい...癖になりそうだ
「なかなかセンスもいいようだね」
かくして、大賢者の生み出した魔法使いの中で最も危険な魔法少女が誕生した。

  • 魔法譚
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