あれから一週間、気付いたことが二つ。一つ、あの賢者から貰った指輪の力にはある程度の制限が付けられているようだ。倒したモノを傀儡にできる、だかそれはあの鎌で倒さねば行使できない。
まったく、うまいこと細工しやがって。
二つ、あの賢者の警告していた精神の摩耗はあまりデメリットにはならないこと。倒したファントムを食べればそこら辺は解決するようだ。しかもそれなりにうまいときた。でも普通、あんなものを食べろと言うのは普通の人には酷だろうしあの警告は正しいのだろう。
学校も早々に切り上げ、今日の狩場を探すことにした。これはあの日からの日課になっている
この一週間で何人かの魔法使いとも会った
しかし、全員潰してやった
弱すぎて話にもならないレベルだった
語る気すら失せる程度には
あの賢者は何が目的であんなのを...
ふと後ろに気配を感じ振り向くとあの大賢者がいた。
「派手にやってるみたいだねぇ桜ちゃん。でも少し休んだらどうだい?戦いずくめじゃないか」
「...それは私の勝手だろう?それとその桜ちゃんをやめろ」
「えー、かわいいのにぃ...まぁいいや、今日来たのはキミに警告するためだ」
この期に及んで何をまた
そんな風に思っていたが、次の一言でそんな考えの全てが吹き飛んだ
「ファントムが大群を率いてこちらの世界に向かっている。標的は、キミだ」
「...」
「キミはヤツらを狩り過ぎたようだ、ファントムはキミを種の存続を賭けて全力で向かってくるだろう」
狩り過ぎだと?たかだかザコ数十体で?
全く馬鹿馬鹿しい
だが、無尽蔵に狩れるのは魅力的だ
「それはいつ来る」
「明日だねぇ」
「面白い...!」
こんなに沸き立つのは久しぶりだ
「...まったく、キミは本当に面白いよ...」
帰ろうとする私の後ろでそんなようなことが聞こえた気がしたが、すぐに気にしするのをやめた