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魔法譚 死にたくない魔法使い4

本文を始める前に、レスにあったことについて補足をば一つ。本作の主人公の少年の『死神』モードについてですが、これはマジックアイテムの変身機能とは別物です。変身による変化は飽くまでもローブだけで、骸骨姿は彼の魔法によるものです。追加で変身魔法を使ってるんだと思っていただければ大体合ってます。そんな訳で本編再開。

「ふう、終わったか」
『死神』はローブだけを残して、その姿を少年のものに戻した。しかし、
『……とでも思っていたのか?』
「何!?」
死んだはずの〈ケットシー〉の声が聞こえてきて、少年は慌てて『死神』の姿に戻る。声のした方を見ると、そこには三毛猫が二本足で立ち上がろうとしていた。
『フフフフフ……。ただ殺すだけで頭の足りない馬鹿に教えてやろう。我らファントム〈ケットシー〉は、一にして全!全にして一!言うなればこの猫の群れ、猫の治める国そのもの全てが〈ケットシー〉なのだ!お前にこれまで話しかけていたのは、代表として動いていた、たった一匹に過ぎないのだ!そして我々は既に半径にして500m単位で貴様を包囲している!逃げ場など無い!さあもう一度、【人を殺す歌】を!仲間の仇を討つのだ!全体、歌い方、始め!』
しかしネコ達は、たった一息吐くほどの間も与えられずに、ある者は首の骨を折られ、またある者は八つ裂きにされ、別のある者は訳も分からず心臓を止められ、皆、様々な方法で死んでいった。半径500m圏内、殆ど全てのネコがだ。
(何……だと……。まさかここまで恐ろしい魔法使いだったとは。連れていたネコ達も、9割方殺されてしまった)
〈ケットシー〉も焦りを隠せない。
(クソ、こうなったら最後の手段だ)

  • 魔法譚
  • ネコの皆さんは漏れなくファントムです
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