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魔法譚 ~エンドレスライフ、エンドレスジャーニィ Ⅱ

「…」
とん、と地面に着地し、元の姿に戻った私は、さっきまでバケモノがいた方を向いた。
凶刃、いや凶爪に敗れたバケモノは、すでにチリとなって消えていた。
やっと帰れる、そう思って元来た方へ戻ろうとすると、どこからか、乾いた拍手が聞こえた。
音がする方を向くと、電柱の上に見知った顔がたたずんでいた。
「お見事」
金髪に青いエプロン、白い帽子と白い日傘。
どこかおかしいような、おかしくないような恰好をした人物は、数メートルある電柱のてっぺんから、軽やかに飛び降りた。
「…やはり、キミは戦闘のセンスがあるねぇ」
いっそ警官や自衛官にでもなれば?と女は笑う。
「…大賢者」
私はぽつりと呟いた。
「いやぁ、元気そうで何よりだ…”前埜アキ”」
大賢者は笑顔で私に歩み寄ってくる。
「さすが、わたしの自慢の魔法使いだ」
「自慢することないと思うんですけど」
私はいつものように彼女の言葉を流した。
「…自慢することないって、キミ、自分がいくつなのか分かってる? にじゅぅ…」
「それ以上はやめてください」
私はきっぱりと大賢者の言葉を遮った。
さすがに、この歳になると年齢が気になってくる。
大賢者はつまらなさそうな顔をした。

  • 魔法譚
  • 前埜は「まえの」って読む。
  • 期間から数分はみ出るけど許して…
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