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今日、お母さんが
「庭にスズメのヒナが落ちてたよ」
と言っていたので見に行くと、まだ毛も生えていないヒナが2羽落ちていました。位置からして、高い屋根から落ちてしまったようでした。
1羽はすでに死んでいましたが、残りの1羽は息をしていました。私は急いでその1羽を安全な日陰に連れていきました。
見つけたときは元気がなかったヒナは、数十分のうちに元気に鳴くようになりました。
私は、死なせてはいけない、という思いで必死で見守り、ネットで調べて少しだけエサも食べさせることができました。
しかし、それを見た家族は、最初はまあまあ協力してくれたけれど、だんだんと
「放っておきなさい」
みたいな感じのことを私に言うようになりました。私は、とりあえず命だけは助けなきゃいけないから、あともう少しだけ、と粘っていましたが、数時間経った頃に
「課題は終わったの?いつまでもそんなことしてたら終わらないでしょ。」
「鳴いてるからってずっと見ててもきりがないよ。」
「ヒナが落ちてたよ、なんて、言わなきゃよかった。」
と言われました。
私は腹が立って、いいからほっといて!と怒鳴ってしまいました。
小さくても元気に鳴いて、やわらかい羽を必死にパタパタしているヒナを見ていたら、自然に涙が出てきました。『これは怒られて泣いてるんじゃない、この子の代わりに泣いてるんだ。』って自分に言い聞かせてました。
もし私がこの子を捨てたら、この子はどうやって生きてくんだろう。
もし私がこの子をずっと見てたら、この子は助かるのかな。
考えた末、私はヒナを庭の安全なところにおいておくことに決めました。
地面にヒナをそっと置いてお別れしました。

自分の判断はほんとうに正しかったのか、今でも迷っています。
命を大切にする、というフレーズはよく聞きます。でも、この言葉は簡単には使えないと思いました。

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