ぼくの夢のなかのきみは 現実と同じくらい透明で 髪に触れてみたいけれど ぼくの右手はすり抜ける ぼくの目を見ないきみは 現実と同じくらい淡白で 声を掛けてみたいけれど ぼくの真横をすり抜ける ぼくの事が嫌いなきみは 現実と同じくらい冷徹で 愛を分けてほしいけれど ぼくの心臓をすり抜ける ぼくの夢のなかだけなら きみはぼくのものなのに 目が醒めるたびにぼくは 頬を伝う雫を拭わないと