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名作が渋滞してる。

「ねえ、本当に不幸なことって、なんだと思う?」
僕は100万回生きた猫に尋ねる。
「そりゃあ、君。愛する人が亡くなる事に決まってるじゃないか」
100万回生きた猫は、本から顔を上げずに答える。
「そうかな?僕はそうは思わない」
星の王子様が割り込んできた。
「大切な人が亡くなったって、空は青くて美しいし、雲は止まらず流れ続ける」
「じゃあ、君は何が不幸な事だと思うんだい?」100万回生きた猫は視線を彼に流した。
「僕は、独りになると感じる事だと思うんだ。ああ、自分は今独りだって思う事。誰でも、生きていれば世界中のどこかに愛してくれる人、想ってくれる人はいるさ。その事に気付かないのが、本当の不幸だと思う」
「なるほどね、それも一理ある。でもね、誰でも愛してくれる人がいるってのは、違うんじゃないかい?」
「そうかなあ、、、」
星の王子様はそれっきり、黙り込んでしまった。
「本当に不幸な事?そんなの決まってるわ」
ずっと黙って話を聞いていたアリスが、おもむろに口を開いた。
「罪を犯すことよ。だって、自分は悪人なんだ、非道な奴なんだ、っていう思いを背負って生きていかなければならないじゃない?自分を否定することが、一番の不幸なのよ」
「なるほどねえ…」
僕は呟く。
「ねえ、言い出しっぺの貴方はどう思うのよ。ピーターパン」
僕はしばらく考えてから言った。
「僕はよくわからないけれど、、、きっと、それは人それぞれなんだよ。でも、みんなに共通していることがある。それは、自分が不幸だと認めてしまうことが一番の不幸だってことさ」

きっとこの討論は終わらない。そのうち、ピーターラビットが小公女につれられてやってくるだろう。そうなったら最後、収拾がつかない。

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