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霧の魔法譚 #8 2/2

納得はしたもののまだ疑問は残る。
「しかしリーダーとしてではなくても、一人の魔法使いとして戦場に立たなくていいんですか? こんなに大規模な戦い、戦場にいくら仲間がいたとて戦力は不足するもの。確かに戦闘向きの魔法ではないとはいえ、裏方としてでもやることはたくさんあったと思いますが……」
「それを引き留めたのが君らだけどな」
茶化すように笑うイツキ。
「でもどちらにしても俺は戦いに参加できなかったよ。実はね、今は何もない空中をまっすぐ走ってるから問題はないんだけど、俺すっげえ運転下手でさ。それこそ味方がいるところで運転したら何人か轢きそうなくらい」
確かに、と大賢者が続ける。
「イツキの運転は危険だ。というかそもそも空飛ぶ車の運転が難しすぎる。空中という摩擦の少ない環境でブレーキやアクセルは地上とはまるで異なり、左右にしか動かない通常のハンドルと同時に、別のハンドルで上下操作も行わないといけない。失敗すれば大きな事故につながりかねない以上練習も十分にできておらず、結果イツキ自身未だマスターできていない。そんな中で細かい立ち回りと高い集中力が要求される戦場に出れば、仲間を傷つけることに繋がりかねない。ま、爆弾を抱えるようなもんだな」
「そういうこと」
大賢者の説明を肯定し、イツキはこればっかりは仕方ないねと笑って見せた。

***
#8更新です。
私事ですがレポート終わったので夏休みをしっかり享受します。わーい。
霧の魔法譚もそろそろ終盤です。たぶん。終わればいいなと思ってます。
読んでくださってる方とスタンプ押してくれる方とレスしてくれる方に感謝しつつ。

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