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赤い蝶が舞う

入部希望期間が締め切られた
結局僕はどこにも所属しなかった
初瀬はというと
「えっ?私?私はね、文化研究部ってのに入ったよ」
いつもの笑顔はとっくに戻って来ていた
それに何となく安心した僕は文化研究部なる存在を知らなかったので聞いてみた
「何それ、そんなんあったの?」
「あるある、まぁ私も勧誘受けるまで全然知らなったけどね、へへ」
僕達が知らなかった訳は
僕らが入学するまで休部していたらしく
現在部員は初瀬含め1年2人だけの部らしい
「で、そんな限界集落みたいな部にどうやって勧誘された訳?」
「顧問の門田先生がね文研が動かないと野球部の顧問にされるから助けてくれってプラカード作って校舎を徘徊しててそれに捕まったの」
「シュールな話だな」
門田 善次郎
2年C組の担任で担当教科は国語
陽気さにかけては泉西校教員の中でもトップクラス
一応初瀬の話じゃ文化研究部の顧問らしい
見た目は完全に用務員の先生なのだが格好がスーツなので実に不自然で男女問わずそれをイジれるくらい気さくな人で生徒からの人気も男女問わず集めており多分教師の人気投票でもあれば1位は堅いのではと密かに思っている
大方野球部の顧問にされて試合や遠征とかで休みを潰されるのが嫌だったとかそんなとこだろう
疲れたと休みをくれが口癖なくらいの人だし
「門田先生入部希望者が2人居るって分かったら泣いてたって聞いたよ」
「なんて大人だよ....」
「はは、まぁまぁ人間っぽくて好きだけどね」

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