0

赤い蝶が舞う

「なんで僕がこんな目に」
「葉山ドンマイでも意外と楽しいから部長も面白いよ」
初瀬にフォローされながら僕は重い足取りで階段を上がりとある教室へ足を踏み入れる
旧校舎の4階で1番右隅にある名前の無い空き教室で文化研究部の部室である
なぜ僕がここに居るかはまた別の機会に
何故かと言うとそろそろ会議の時間なのだ

「よしそれでは今年の文化祭の展示内容を決めたいと思う何か意見のある者」
声の主は 折紙 舞姫
女性にしては低いが通りの良い声が教卓から放たれる
首元辺りでバッサリ切られた髪に小柄な見た目は活発そうな女の子という感じの風貌なのだが
全身から近寄り難いオーラを放っているのがなんとも言えない
僕と同じ1年で隣のクラスの要注意人物というのが
彼女に対する男共の認識だ
「おい 葉山聞いているのか」
「あぁ、展示ね展示、聞いてる聞いてる」
「はぁ 適当で良いと言ったがやる気ある奴で頼むとお願いしたはずなんだが....」
辺りを見渡しお探しの人物が居ないことを確認し
ため息をひとつ
「顧問は」
「部員探しの続きらしいよ」
「アレに任せていたら碌な人材が入らんな部員の方もこっちで考えないと小規模な展示しか出来ないな」
折紙の肝の据わり方も大概だが門田先生の信用の薄さの方も大概である
しかし折紙 舞姫という人間は
誰にでもぶっきらぼうな上
中学時代は空手で全国1位で戦闘力も抜群ときた
彼女に近寄るだけでもハードルがかなり高い(心理的に)
「それで過去にどんな展示をやったとか活動資料みたいなのは無い訳?」
「知らん、何せ顧問の私情で無理やり動かされ始めるような部活だ過去の活動記録なんてあっても役に立たないのは目に見えている」
「先代の部員が可哀想になるから止めろ」
「姫ちゃん毒舌だねぇ」
顧問 門田 善次郎
部長 折紙 舞姫、副部長 初瀬 紗夜、補欠 葉山 健也
というのが現 文化研究部の部員の面々である

レスを書き込む

この書き込みにレスをつけるにはログインが必要です。