「ありがとうございました」
そう声をかけてきたのは、君だった
「・・・・・・え、」
声にならないこの想い
私は君に、想いを伝えに来たのに?
君はようやく私に気づいた
「かおり・・・」
「子供ちゃん可愛いね。私と同じ名前じゃん。」
「お前のことが好きだったから。
せめて、俺にとって大切な娘には、かおりって
付けたかった。」
何よそれ
私は君をずっと・・・ずっと・・・
「ばいばい」
私は彼に別れを告げた
帰りの汽車に乗って夕焼けを眺めた
あの夕日に、私の心も吸い込んで欲しい
そんなことを考えていたら、
不思議と涙がこぼれた
もう君には会わない
悲しくて、でもせいせいして、
初恋の苦さと甘酸っぱさを感じた
元気でね、ありがとう。