いつの間にか群れからは遠くはぐれて
レールからは遥かに逸れて
誰にも見つからないように
誰にも気付かれないように
「どこへ?」だなんて知らないよ
強いていえばここではないどこかへ
何処までも遠くへ
暗闇の方が光を探すには都合がいいんだって
強がって
光から逃げてきたくせに
光を探してばかりいるのは滑稽だね
だとしても
夜の山頂から見下ろした街の灯りとか
あの星空だとか
この光景に辿り着くために生きてきたと思える日が
僕にもあるから
僕にはこれでいいんだよ
あの灯りの中にはいられないとしても
星々のパレードには加われないとしても
根は暗く沈んでいたとしても
光へ枝を伸ばす木々は美しく立っているから
いつか 見つけてきた光を全部集めて
僕だけの星を作ろう
偽物な僕にぴったりの
偽物の星を
それをこの惑星の片隅に埋めて
やがてそこから 命が芽生える
光の中へ