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ファヴァー魔法図書館 #38

『ノスタルジイ』

ぽたり......ぽたり......。

次の瞬間、ガラシャの顔にはガラシャが干からびてしまうのではないくらいのの涙が流れていた。
「ねぇ、ユリ。」
ガラシャは流れる涙以外は無表情で呟いた。
「ねぇ、これが正解だったのかしら。
全ての記憶を取り戻して、果たして幸せなのかしら。もしかしたら私酷い間違いを犯してしまったのかもしれないわ。いや、きっとそう。」
ユリはゆっくりと言った。
「そんなことまだわからないさ、それはこれからの君次第だよ。ただひとつ言えることは、君はこの図書館の外の国のお姫様で君はここに連れ去られてきたってことさ。」
ガラシャはまだ流れる涙を拭いて言った。
「一気に思い出してしまったの、怖いことを。
私、どうしたら良いんだろう。
でも一つだけわかるわ。私、あそこには帰りたくない。帰ってもどういう顔をすればいいかわからないよ。」
ユリはまたゆっくりと、今度は言い聞かせる様に、
「ガラシャ、今決めなくてもいいんだよ。ゆっくりとゆっくり決めればいいから。
今日は疲れたでしょう。一旦寝なさい。心を落ち着ければ見える景色も変わるよ。」と言った。

ガラシャが寝てしまった後、ユリはアパルトマンの外へ出て柄でもなくののしった。
「鵺ェェェッ!!貴様聞いているかァァァァッ!!
貴様だけは、貴様だけは絶対に許さんぞォォッ!!
この虚構を壊してもなッ!!」
その声は、無機質の空に虚しく響くだけである。

To be continued #39 第4章最終話↙
『虚構の崩壊、ロマンチック逃避行』

P.S.あとがきだけでもほっこりとしていって。
暇な時になんとなく意味わかんないタイトルを思いつきます。
だいたい使えませんけど。少しここで吐き出しておきます。良ければ使って頂いても結構です。
・その時、トイプードルに電流走る!!(物理)
・樹海ロスト
・着メロしかないオーケストラ
・ベラルーシのおとなたち
・妖精たちの反乱(飯テロ)
他にももっとあるんですけどこの使えそうなお(か)しいものたちを供養しときます。
これを文章化してくれる人が出てくる事を祈って笑

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