チャイムがなるといつも屋上にいく、
友達と呼べるような人はひとりもいないし、
眩しい光を背にしてフェンスに腰をかける。
帰り道で騒ぐ声をかき消すようにイヤホンをつけて、
音楽をただ流している、
僕にはあんな青い日々を送れない。
ゲームも飽きたな、漫画も気分じゃないや、
烏もそろそろ帰る頃か。
ちょっと息苦しいな、もうちょっと自由になろう、
僕はフェンスに腰をかけ、夕焼けを眺めた。
もう生徒はいなそうだ、僕は少し震えた。
もういいか、もういいや。
風がそっと僕の頬を撫でる、
風がぎゅっと僕のことを抱きしめる、
あぁ、きれいだ。
淡く染まっていく夕空と、
赤く染まっていくアスファルト、
これが赤い世界か。