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誰かの悪夢

午前9時
ホームに滑り込んできた電車に急ぎ足で乗り込み
他の人を越して辿り着いた座席でスマホを開く
Googleニュースのトップには
何処か遠い土地の有名らしいバンドマンの訃報
それを横目で見ながらスクロール
あの大通りにオシャレなカフェができたらしい
誰もが一生懸命目の前の小さな画面を
覗き込んでる電車の中でゆらゆらと視線を漂わせ
降りたことの無い次の駅で降りて
何処か遠い所へ行ってしまおうかなんてかんがえる
生きてるだけで花丸ならこの苦しさはなんですか、
かつて描いた夢は誰かの夢に
本音は喉を通り過ぎ嘘に
笑ってると「ヘラヘラしてんじゃねぇ」と言われ
真顔でいると「愛想良くできないの?」と言われる世界で
明るい音楽しか受け入れて貰えない社会で
誰かの悪夢のような現実しか見えなくなって...

矢継ぎ早に降りる人たちを見て慌てて私もと立ち上がる

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