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亡骸の詩

夜風にはためく道標の幸福について考える。安売りした言葉の在処をいまさらさがして何になるの。かつて少女だった記憶に名前をつける行為が神聖だなんて大間違いだ。何者にもなれない、生きているあいだ、わたしはわたしになることもできないから、墓標が愛される前にどうかすべてが滅びてね。

触れたら壊れてしまうと思いこんで自分を守ったら、水たまりが消えるみたいにきみのことさえ嫌いになった。

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