今思えば、随分と馬鹿な質問をしたものだ。他になかったのか自分。すると、男の子は憎たらしい顔で嘲笑った。
「姉ちゃん、馬鹿だろ。もっとマシな質問無いワケ?」
……一言目がそれかい。いや、自分でもそう思ったけど、こんな小さい男の子に馬鹿にされた屈辱。一体、どうしてくれようか。
「君は、どこからどうやって来た、どこの何君なのかなー?」
頬がぴくぴくと張っているのが分かる。こんな子供にムキになるなんて大人げない。そう思って、我慢して優しく聞くよう努める。だが、
「見ればわかんじゃん。これに乗ってきた。やっぱ馬鹿だな、姉ちゃん。」
無理だった。こいつ、可愛いげがない上に生意気だ。優しいお姉さんはやめよう。
「質問に答えきれてないじゃない。まず、名前は?」
男の子は、少し間をおいた。
「宙(そら)。宇宙の宙で"そら"。」
私は驚いた。
続く