昨日、僕らのまちはガラリと変わった。ガラリ以上にガラリと変わった。
音がなくなったんだ。
僕が起きた頃にはもう何も聞こえなかった。布団をどける音も、僕の足音も。
本当に何も聞こえないとなると少しくらくらした。そのまま家族がいるリビングへ向かった。声を出そうとするけど声は出ない。自分の声すらも聞こえなかった。
母が目の前にある紙を指差した。
ーみんな何も聞こえないの。テレビをつけても文字だけだから日本中がそうなってるみたい。
確かにテレビのどのチャンネルをつけても同じニュースで、ホワイトボードにアナウンサーが文字を書いているだけだった。
運よく昨日は日曜日だったため家族とともに不安ながらも同じ時間を過ごした。
これが僕らの昨日のこと。相変わらず音はない。当然まだこれには慣れない。
でも今日は学校だ。外に出なくちゃならない。テレビには乗り物には乗らないでということが話されていた。その警告通り、まちは歩く人しかいない。
不思議な空間を歩くこと約20分。ようやく学校に着いた。今日は特別長く感じた。教室にはいつもの光景が広がっている。でもまた音はなかった。