ランドセルを開け、一気に中身をぶちまけた。教科書、ノート、プリント。全部いらないものばかりだ。(スイッチだけは取っておく)
そうしているうちに火は大きくなった。僕たちが吸い込まれていく。
でも、図鑑は高く飛んで行った。それは輝いていたドングリの横に落ちた。そのページを開いて。
僕の家のドアの前には引っ越しのダンボールが山積みになっている。
トイレの便座の上で体育座りをして下を向いた。
一人になった教室から空を見上げる。
公園。どこか不思議な場所へ来た。引っ越しのトラックが私の方へ来た。危うく轢かれるところだった。
部屋にあるものが段々となくなっていく。
ダンボールに囲まれながら、図鑑を開いた。その中にあるドングリを触ろうとした。でも、止められる。僕は諦めない。
再び僕たちを炎が包む。ドングリに手が届きそうな所まで来た。
ついに届いたという所で地面がなくなった。落とし穴のように。
見えない暗闇の向こうへ落ちそうになる。
僕はそんなことを気にせず満足。
私は二人の手を握り、必死。
僕も手を掴んで一生懸命泣きながら叫んでいる。