ついた場所は海。宙を連れてきた場所。宙に見せたかった場所。なぜだかわからなかったけれど、宙と接するうちに、ここだけは見せたいと、頭のどこかで自分が叫んでいた。__それはきっと、もうすぐお別れなのだという虫の知らせだったのだろう。 燃え輝く赤色の夕日は、闇に飲み込まれていく。そんな様子を、しばらく黙ってみていた。だが、そろそろ帰らなければ、祖母が心配する。宙に声をかける前に、宙が口を開いた。 続く