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UFOの落ちてきた夏~9話目~

「もー、ごめんねってば。」
帰り道、宙はむくれている。まだほのかに残る赤に照らされ、その色に染められながら。
結局、この宙という少年について、名前と、お姉さんがいるということくらいしか分からなかった。そういえば、宙はずっと、私のことを"姉ちゃん"と呼ぶ。
「どうした"姉ちゃん"?」
ほら。名前なら、いつでも聞く機会があったろうに。そう言うと、宙はひとこと。
「…知ってるから。」
それが私には分からなかった。ただ、宙があまりにも真剣で。
「…宙?」
「ぼく、そろそろ行かなきゃ。楽しかったよ、姉ちゃん。」
「待って!」
宙は、私が初めて見る無邪気な顔で笑った。
「またな、姉ちゃん。」
「宙!」
「…また、すぐに会えるさ。」
そう言い残して消えたことだけは覚えている。

続く

  • 今回長かったー……(¨;)
  • 読みにくくてすみません
  • ラストスパート、駆け抜けます(笑)
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