とあるいなかまち、小さな女の子がまどのそとを見ていいました。
「どうしてこのまちにはゆきがふらないんだろう」
すると女の子のおとうさんが、うしろからちかづいてこういいました。
「このまちにだってゆきはふるさ。あしたにはいちめんゆきげしきになってるよ」
女の子は、ぱあっと、かおをかがやかせ、おとうさんを見上げていいました。
「ほんと。やったー」
つぎの日、女の子が目をさましてまどにかけよると、おとうさんのいったとおり、ぎんせかいがひろがっていました。
女の子はうれしくなって外にかけ出しました。
女の子がゆきを手ですくってかんしょくをたしかめていると、おとうさんがやってきました。
「おとうさん、ほんとうにゆきがふったね」
女の子のことばをきくと、おとうさんはにっこりわらってこういいました。
「じんこうゆきをふらせるぎょうしゃによなかからがんばってもらったのさ。六百万くらいですんだよ。いがいに安かったな」
女の子は、さすがおとうさんだ、とおもいました。