自分は恋愛恐怖症だ。
…と言ったが、人の恋路を見守るのは大好きだ。
片想いの人を見ると応援したくなるし、
両想いの人達の雰囲気とか
あの、なんともいえない距離感とかも好きだ。
(両片想いが一番好きだけどね。)
人を好きになるというのは素晴らしいことだ。
恋をしている人はとても素敵な表情をするし、
特別美しく、綺麗になる。
ただ、自分が恋をするのは怖い。
「恋」は、人を盲目にする。
良くも、悪くも。
私が告白した彼は、とても良い人だった。
すぐに返事をくれて、
周囲に言いふらしたりもしなかった。
振った理由も至極真っ当で、
好きな人がいるから。ということだった。
「顔とかは、気にしてないから。」
伏し目がちに彼はそう言った。
………言葉はいつも、裏返しだ。
本当に気にしていない人は多分、言わない。
彼は、気にする人だったのだろう。
…というか、まぁ、多くの人はそうだし、
もっとも、私は「ブス」だった。
この言葉を聞いたときは少しショックで、
自分の顔を鏡でじっと見つめたりした。
すると、どうだろう!
今まで普通だ(というかむしろ可愛い)
と思っていた自分の顔が
実はとても不細工だったことに気づかされたのだ!
あぁ…こんなにも不細工なのに、人を好きになり、
挙げ句の果てには告白までしてしまったのだ…
申し訳ない…謝れるものなら謝りたい…
このエピソードは私の黒歴史の一つとなっている。
勘違い野郎の恥ずかしい失敗談だ。
あの頃から私は自分の顔が嫌いになった。
そして、恋愛なんて、もう嫌だ…
と、思うようになった。