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〜二人の秘密〜長文なので時間があるときに読んでくださると嬉しいです。

『あっ。また意地悪してんの?先生。』
私のかけた声で、
意地悪されていただろう他の生徒が逃げる。
「私は意地悪なんてしていない。何処がそう見えるのだ?」
『先生、悪い顔してるけど?(笑)』
「私の何処が悪い顔なんだ??」
本気で問いかけてくる。
『ふふふ。嘘。私は先生の事知ってるから、悪い顔だとは思わない。たださ、もう少しだけマシな顔できないの?(笑)』
「笑うな。私にとったらこれはマシな顔だ。」
『そんな顔じゃあ、ただでさえ意地悪な先生がもっと意地悪に見えるわよ?』
少しだけ俯いた様に見えた。
『私は先生の事を知ってるから、なんで先生が意地悪してるか知ってるけどさ…』
「意地悪じゃない。」
先生は私に隠そうとしているが私は知っている。
意地悪する時には必ずニヤリと笑うのだ。
途中で話しを遮った先生を無視して続ける。
『他の生徒からしたら贔屓とか言うやつになるのよ〜?』
「贔屓をしているのはあっちの方だ。」
『それは何年も前の話でしょう?貴方が同じ事繰り返してどうすんのよ、先生。』
少しだけ考えて先生が口を開く。
「私は私なりに守ってるつもりだ。」
彼は自分なりのやり方で生徒を守っているのだ。
『わかってるわ。でも意地悪するのも程々にね。』
先生に手を振り、進路を元来た道へと戻す。

後ろで“アイツらを逃してしまった”と声がする。
私は微笑みながら彼に想いを馳せる。
彼の意地悪は、彼が学生のときにうけた傷のせいだと知っているのはこの学校で私だけだろう。
もしあの悪戯と言う名の虐めがなければ、彼はとても良い人になっていただろうに。
彼は何処でひん曲がってしまったのだろうか。

………ため息をつきながら、次の授業へと向かう。

  • 長文すみません。
  • 読んでくださった方ありがとうございます!
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