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ある日私たちは。No.4

新幹線に乗っている間は簡単に言えば無言。
遥はずっと窓の外を見て、私はそんな彼女を見る。段々と知らない景色が広がるとスマホを確認。目的地まで近いようで遠いそうだ。13歳の少女たちがポツンと居座る中、そんなの関係ないと言わんばかりに新幹線は進む。
長く長く続いた道のりは終わりを告げようとしていた。私たちだけ緊張が漂う。
駅に着いた。イコール東京。
「ふわぁ~」
あくびではない。感嘆の声だ。遥が目をウロチョロし、口を開け、何とも言えない表情をしている。
「ここ、東京?本当に東京?」
「そう、東京。ここ、東京」
パッと遥の顔に花が咲く。微かに目に光るものも見えた。
「人、多いね。ビル、高いね」
「そうだね。いっぱいだね。どこ行こうか」
「う~ん。そうだなぁ」
「行きたいところあるの?」
「ううん。無い。でもとりあえず東京を歩きたい」
そうだな。東京を歩くってなかなか無いもんな。
私たちは果てしない東京を歩いている。美味しそうなお店に寄ったり、どこを歩いていいのか分からなくなったり…。
それでも私たちは楽しんだ。それは彼女の顔からよく伝わる。
嬉しそうで、楽しそうで何よりだ。

  • 小説執筆部
  • ある日私たちは。
  • ※想像です。行ったことないんで、、。
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